【中小企業向け】テレワークを導入することで貰える助成金とは?

多様な働き方を実現することで注目を浴びているテレワークという働き方。
少子高齢化の進む日本において労働力の確保はどの企業においても最重要課題の一つであることは明確であり、テレワークの導入により労働力の確保、及び生産性の向上を図る企業が増えてきています。
しかし、テレワーク導入にはテレワークのための機器やシステムなどの導入費用、セキュリティ対策費用等の導入資金の問題から採用を見送る企業も多くみられます。そのため政府ではテレワーク導入の後押しのために様々な助成金を用意し、特に中小企業での普及推進を図っています。
本記事では、中小企業対象のテレワーク導入のための助成金についてご紹介します。

最大150万円支給、中小企業向けの助成金

テレワーク普及推進のための助成金の一つに中小企業事業主対象の助成金として、最大でテレワーク導入経費の4分の3(上限150万円)の支給を受けることができる助成金が用意されています。

時間外労働等改善助成金

従業員のワークライフバランスの改善及び向上に向けた取り組みを行う中小企業事業主に対し、テレワークを実施するために必要な通信機器やサービスの導入、社労士や専門家によるコンサル費用などの経費も支給対象に含まれる厚生労働省が管掌している助成金です。

時間外労働の制限その他の労働時間等の設定の改善(※)及び仕事と生活の調和の推進のため、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークに取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。

出典:厚生労働省

支給対象:

支給対象となる事業主は、次のいずれにも該当する必要があります。

①労働者災害補償保険の適用事業主であること
②業種・資本金・従業員数が下記のいずれかに該当する事業主であること

③テレワークを新規または継続して導入する事業主であること
 ※過去に本助成金を受給した事業主は、対象労働者を2倍に増加してテレワークに取り組む場合に、2回まで受給が可能
④時間外労働の制限その他の労働時間等の設定の改善を目的として、在宅又はサテライトオフィスにおいて、就業するテレワークの実施に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる事業主であること

出典:厚生労働省

支給対象となる取り組み

以下のいずれか1つ以上を実施する必要があります。

・テレワーク用通信機器の導入・運用
・保守サポートの導入
・クラウドサービスの導入
・就業規則・労使協定等の作成・変更
・労務管理担当者や労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング

※パソコン、タブレット、スマートフォンは支給対象とならないので注意が必要です。パソコンなどを除く設備費用(分身ロボットやWeb会議システム等)はその対象となります。

また、社労士やテレワークマネージャー等によるコンサル費用も助成金の対象となるため、テレワーク導入時の懸念事項の一つに挙げられる社内環境・制度整備面での問題解決にも繋がることが期待できます。

助成金支給額

支給額は、決められた成果目標に対する達成度に応じて謝金、旅費、会議費、機器装置等の経費の4分の3、または2分の1が支給されます。

成果目標:

以下の1,2は必須、3または4はどちらかを選択し達成する必要があります。

  1. 評価期間に1回以上、対象労働者全員に、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークを実施させる。
  2. 評価期間において、対象労働者が在宅又はサテライトオフィスにおいてテレワークを実施した日数の週間平均を、1日以上とする。
  3. 年次有給休暇の取得促進について、労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数を前年と比較して4日以上増加させる。
  4. 所定外労働の削減について、労働者の月間平均所定外労働時間数を前年と比較して5時間以上削減させる。

出典:交付要綱

助成額合計、補助率:

補助率は上記の成果目標の達成状況に応じて4分の3または2分の1となり、助成額合計は対象経費の合計額 × 補助率で算出されます。
上限額を超える場合は「1人当たりの上限額」 × 対象労働者数又は「1企業当たりの上限額」のいずれか低い方の額となります。

 

例:従業員が100人規模の企業で総務、経理部門5人に1人当たり30万円の機器を導入する場合、

所要額: 30万円 x 5人=150万円
①成果目標達成の場合  ⇒ 20万円 x 5人=100万円を助成
②成果目標未達成の場合 ⇒ 10万円 x 5人=50万円を助成

目標未達成の場合も支給対象に

目標達成に向けて取り組む必要がありますが、様々な事情から未達成になってしまった場合も、上述の例のように一定の金額を受給することができます。

働き方改革推進のために増えるテレワーク助成金

「働き方改革関連法案」の成立によって企業は残業時間の制限や有給休暇の取得義務など、従業員が仕事と生活のバランスを保ちながら働くための職場改善が義務付けられていることを背景の一つに、企業の業務の効率化・生産性の向上、人財確保・離職抑止への取り組みを支援するために他にも様々な助成金が用意されています。
同じテレワーク普及推進のための助成金でも条件や対象が異なりますので、自社がテレワーク導入に向けてどのような支援が必要かによって適切な助成金を選ぶ必要がります。

・東京しごと財団:テレワーク導入促進整備補助金
・東京しごと財団:テレワーク活用推進・働く女性応援助成金テレワーク活用推進コース

大手企業を中心に導入が進むテレワークですが、助成金やテレワークマネージャー派遣事業などを利用し中小企業でもテレワークが普及していくことで更なる働き方改革に繋がることに期待したいですね。

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